備前福岡屋カネヒコ酒店

第8回福岡「司牡丹を楽しむ会」のご報告

全国を見ても、100名規模で毎年行われているのは福岡だけという「司牡丹を楽しむ会」も今年で第8回目となり、私も当店のお客様と一緒に参加させていただき、非常に楽しい時間を過ごすことができました。

鰹のワラ焼きをはじめ美味しい料理とお酒・会場で搾った純米大吟醸をその場ですぐに楽しめるサプライズ・抽選会などなどイベント盛りだくさんの会でした。

 

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毎年参加される常連の方、清酒に興味を持ち酒の会に初めて参加された方など多くの方々がいらっしゃいました。よく業界新聞で目にするのですが驚いたことは、女性の参加人数が多かったことでした。

 

私の円卓には、会社員男女でこられている方々もいらっしゃり、男性の上司が女性社員に酒について、ゆっくりと語っていました。普通の飲み会で、酒について語られると疎ましく思う場合もあるでしょうが、「酒の会」のいいところでしょうか、女性社員は、目をキラキラさせて聞いていました。それが演技でなければですが、そこは置いておきます。

宴も竹縄ともなれば、皆さん和気藹々とされているものですが、こういった会では、最初お酌をはじめ、礼儀作法を皆さん気にするところでもあります。礼儀作法と言えばなんとなく堅苦しく聞こえるものですが、言い換えれば「気配り」であり「おもてなし」の心だと私は思います。

 

お酒が入ってない方へお酌をする。「ありがとう」という言葉が返ってきて、お互いの心が和む。気配りとは、行動で行う「挨拶」のようなもであり、人と接するうえでとても大切なことだと考えております。ましてや酒の入った席では、なおさらです。

昨年、2020年の東京でのオリンピック開催が決まり、また最近では、和食が無形文化遺産に登録され、母国である日本の良さを見直す風潮が高まってきています。

 

本当に海外から来られる方におもてなしをするのであれば、本当に日本を知っていただくのであれば、なぜ「そうするのか」を知らなければ、心は伝わらないと日頃考え、そして懸念しております。

うわっつらの作法は、最近どこでも耳にするうわっつらの「いらっしゃいませ~」という挨拶と同じです。

 

江戸時代までは、今ある「茶道」のように酒を飲むにも「酒道」というものがありました。「酒は百薬の長」・「酒は憂いの玉箒」などという言葉がございますが、礼がなければ「酒は百害あって一利なし」とも言われることになります。

 

酒の会に話を戻しますが、こういった会は、私たち日本の心、心遣いについて、酒を通し諸先輩から学ぶこともできる素敵な場所だと再認識した次第です。

 

十九代目 大塚恭範拝