備前福岡屋カネヒコ酒店

処暑 末候

処暑 末候

禾乃登る ~こくもの ものる~

田に稲が実り、穂をたらす頃。禾とは、稲や栗などの穀物のことをいいます。禾編(のぎへん)。

 

候のことば

禾とは、稲などの穂先に生えている毛のことですが、稲・麦・稗(ひえ)・粟(あわ)などの穀物の総称でもあります。

稲作は、私の時代の教育では、弥生時代にシナ大陸・朝鮮半島を経て伝わったと教科書に書かれていましたが、現在では紀元前6500年前から日本において稲作は行われていたことが考古学的に立証されております。

 

旬の魚介「鰯」 旬の果物「無花果(いちじく)」 旬の草花「きんえのころ」→ねこじゃらしの名前で親しまれている「えのころぐさ」の一種。

 

旬の虫「まつむし」

チンチロリンと鳴く声が、歌にも歌われるまつむし。すずむしと並んで、秋に鳴く代表的な虫です。平安時代には、山野で虫を捕ってきて鳴き声を楽しむ『虫撰(むしえらみ)』や飼っている虫の鳴き声を互いに競い合う『虫合(むしあわせ』などの遊びがありました。

9月は中秋の名月と呼ばれる日があり、月を愛でながら酒を楽しむ風習がございますが、虫の音をうるさく感じるのではなく、ゆったりと聞きながら酒を楽しむのもこれまた一興ではないか思います。

ちなみに、今年の中秋の名月は、38年ぶりに早い時期に訪れるそうで、9月8日がその日だそうです。

 

十九代目 大塚恭範 拝