備前福岡屋カネヒコ酒店

秋酒 ひやおろし

冷卸し【ひやおろし】

ひやおろし
~ 秋口より出荷される特別なお酒 ~
*ひやおろしは、秋に出荷される、芳醇な香りとまろやかな味わいのある季節のお酒です。このお酒は前の年の秋に収穫された新米から造られ、春に火入れをした後、貯蔵されます。夏から秋にかけて、独特の風味を身に付けながら熟成します。

英語でも…

HIYAOROSHI
~ Autumn Released Premium Sake ~
*‘HIYAOROSHI’ is seasonal sake with mellow aroma and round taste, which is released in the autumn. The sake is brewed with new rice harvested in the previous autumn and stored after pasteurization in the spring. It matures throughout the summer developing unique flavours until the autumn.

【ひやおろしの歴史】

冷卸しは、江戸時代に生まれたジャンルのお酒。

当時「酒ハ冷卸ヲ最上トス」とまで云われたひやおろしも、いつからかは定かではないですが、市場から姿を消してしまいました。

時は流れ、昭和53年(全国酒造組合中央会が10月1日を「日本酒の日」と定めた年)、私の生まれた年…、日本名門酒会が、新たに定められた「日本酒の日」にふさわしい企画をと「第一回 ひやおろし樽酒まつり」と題して、加盟店による店頭樽酒量り売りが始まりました。

この企画が、現在販売されている「瓶詰されたひやおろしの普及」はもちろんのこと、「ひやおろし復活」の立役者だったわけです。

昭和61年、瓶詰された現在の形のひやおろしが発売されるわけですが、今年で30年を迎えます。

 

【ひやおろしの特徴】

“ひやおろし”とは、その昔、新酒が劣化しないよう春先に加熱殺菌(火入れ)したうえで大桶に貯蔵し、ひと夏越して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃、大桶から「冷や」のまま(二度目の加熱殺菌せず)樽に「卸して(移して)」出荷したことからこう呼ばれていました。

“ひやおろし”は熟成による、穏やかで落ち着いた香り、滑らかな口あたり、濃密なとろみが魅力のお酒です。春先に一度だけ加熱殺菌し、秋まで熟成させ、出荷する際は二度目の加熱殺菌をしません。貯蔵方法は、タンク貯蔵と瓶貯蔵の2タイプ。桶や樽がタンクと瓶に変わっても、本質は昔と同様変わりません。

通常のお酒は、出荷後の保管性を高めるために、二度目の加熱殺菌を施したうえで出荷します。しかし、加熱することで、熟成中に馴染んだ味わいの成分が元の粗さに戻ってしまうことがあります。
“ひやおろし”は、二度目の加熱殺菌をせずに出荷されるため、冷蔵保管が必要となりますが、その分、味わいの成分がよく融けあい、絶妙に熟成した味覚の真髄が味わえます。

豊穣の秋にふさわしい、旨みたっぷりの、まろやかでとろりとした円熟の味わいが“ひやおろし”の魅力。
秋の深まりとともに「夏越し酒」「秋出し一番酒」「晩秋旨酒」と熟成もゆるやかに深まっていきます。

 

以上、ひやおろしのご紹介です。

「ひやおろし」はこの30年で、蔵元様の努力により醸造技術・貯蔵技術は飛躍的に上がり、また皆さまのご愛顧により、季節のお酒の中で一番の販売数量を誇るものとなりました。

味わいはもとより、お酒の品質においても円熟の極みに達した「ひやおろし」をこの秋是非お楽しみください。

当店では、8月18日より、順次ひやおろしが入荷します。

どうぞよろしくお願いいたします。