備前福岡屋カネヒコ酒店

雨水 次候

雨水 次候

霞始めて靆く ~かすみ はじめて たなびく~

 

春霞がたなびき、山野の情景に趣きが加わるころ。

遠く微かな眺めが、ほのかに現れては消えるうつろいの季節。

 

旬の野菜「辛子菜」

この種から、和辛子は造られるそうです。

旬の魚介「素魚」

 

白魚と素魚の違いはこちら(下記URL)をご覧ください。

http://bizenfukuokaya.jp/kojiki/rss_2015/

 

候のことば「霞と霧」

薄くぼんやりとたなびく霞と、目の前に深く立ち込める霧。

春には霞といい、秋には霧と呼び分けるそうです。

気象学では、視程1キロ以下のものが霧、それより薄いものが霞。

「たちのぼる」は霧につかい、霞には「たなびく」と表現で使います。

 

お酒も今は新酒の季節。

新酒には、濾過をしていない無濾過という種類の清酒がございます。何を濾過するかといいますと、滓(おり):「お酒を搾った後、わずかながら混じる沈殿物」と呼ばれる、旨みでもあるけれど通年販売するには劣化のもとになるものを濾過します。

 

濾過には、フィルターにかけ、さらに活性炭をいれて、滓を吸着させて、滓を取り除く工程がございます。

 

フィルターのみかけたものは、わずかながら滓が残っており、『おりがらみ』と呼ばれたり、瓶を振れば霞むので、『霞酒』などと呼ばれます。

 

この季節、盃の中に旬である「霞」を浮かべて、酒を楽しむのも一興だと思います。

 

当店には現在、奈良県は梅の宿酒造の「アンフィルタード・サケ」が入荷しております。純米吟醸:袋吊るしのおりがらみです。

是非この機会に、お楽しみください。

 

下記URLは、アンフィルタード・サケのご案内。

http://bizenfukuokaya.jp/unfilteredsake2015/

十九代目 大塚恭範 拝