備前福岡屋カネヒコ酒店

清活 「正月とは」

清く正しく美しくではありませんが、わが国美しい言葉・感覚をなんとなくではなく、きちんと理解し生活することで、豊かな生活を過ごしていただきたく、清活という題目で今年から、わが国の風習を改めてご紹介させていただきます。

 

正月とは本来、その年の豊穣〔ほうじょう〕を司る歳神様〔としがみさま〕をお迎えする行事であり、1月の別名です。現在は、1月1日から1月3日までを三が日、1月7日までを松の内、あるいは松七日と呼び、この期間を「正月」と言っています。地方によっては1月20日までを正月とする(二十日正月・骨正月)こともあります。

正月は家に歳神様をお迎えし、祝う行事。
私たちの祖先は”全てのモノには命がありなんらかの意味がある”という「アニミズム」を信仰しており、作物の生命〔いなだま〕と人間の生命〔たま〕は1つのものであると考えていました。そのため、人間が死ぬとその魂はこの世とは別の世界に行き、ある一定の期間が過ぎると個人の区別が無くなり「祖霊」という大きな集団、いわゆる「ご先祖様」になると信じられていました。この祖霊が春になると「田の神」に、秋が終わると山へ帰って「山の神」に、そして正月には「歳神」になって子孫の繁栄を見守ってくれているのだと言います。

 

正月は、日本の行事の中で最も古くから存在するものだと言われています。しかし、その起源はまだ詳しく分かっていません。仏教が伝来した6世紀半ば以前より正月は存在していたと言われています。「お盆」の半年後にやってくる正月は、本来お盆と同じく「先祖をお祀りする行事」でした。しかし、仏教が浸透しその影響が強くなるにつれて、お盆は仏教行事の盂蘭盆会〔うらぼんえ〕と融合して先祖供養の行事となり、正月は歳神を迎えてその年の豊作を祈る「神祭り」としてはっきり区別されるようになったと考えられています。

 

年の始めである正月は春の始まり、すなわち「立春」とも考えられており、人々は春の訪れがもたらす生命の誕生を心から喜びました。「めでたい(芽出度い)」という言葉は「新しい春を迎え芽が出る」という意味があります。また新年に言う「明けましておめでとうございます」という言葉は、実は年が明け歳神様を迎える際の祝福の言葉でした。つまり、神様への感謝の言葉を人々の間で交わすことにより、心から歳神様を迎えたことを喜びあったということのようです。

 

お年玉

いまでは、自分の子供や親戚の子供や親しい友達の子供に、贈り物もしくは金銭を与える風習です。

豆知識として、目下のものが目上の者への贈り物が、【お年賀】です。

 

周知の通り、年の変わるごとに干支が変わります。御霊(みたま)=(たま)が変わります。

無事干支も変わり、それを迎えることができと・・・その恩恵が、お歳霊(おとしたま)です。

 

子供らには、親がその受けた恩を子供にも分け当たるのが、今のお年玉。

そう考えるとお年玉も、あげる側も(子供には少し難しいかもだけれど)もらう側も、意味合いに深みがあるのではないでしょうか。