備前福岡屋カネヒコ酒店

寒露 次候

寒露 次候

菊花開く ~きっか ひらく~

菊の花が咲き始めるころ。菊は初め薬草として、奈良時代に中国から伝わったとか。

 

候のことば 「菊枕」

旧暦の九月九日の重陽の節句に摘んだ菊の花びらを、乾かして詰め物にし、菊枕にします。菊の香り漂う寝心地に、恋する人が夢に現れるともいわれ、女性から男性に贈られたそうです。

 

こういった昔の風習をみると、先人の心の豊かさをしみじみと感じます。また、8ヶ月になる娘をみても、なにげないことで笑い、楽しそうにしているのをみてもまた、(全てといってはいけないでしょうが)心の持ちようだなぁと感じます。

大人になれば、楽しむための選択肢も増え、また楽しむためにいろんな努力をしないといけない。

ただ、いろんなものがありすぎて、きちんと選んでいかないと深くは楽しめない。

わたしにとって、携帯電話は今では必需品となりましたが、少し前の時代ではほとんどの人がもっておらず、わたしが一生に支払う携帯電話代で何ができるかなぁとか考えてしまいます。

携帯を手放すつもりはないですが。

 

旬の魚介 「はたはた」 旬の果物 「栗」

 

旬の兆し「菊晴れ」

菊の花の咲くころに青空が晴れ渡ることを「菊晴れ」というそうです。

菊と聞くと、最近まで私は、仏壇に供える花のイメージ(なんとなく暗い)しかありませんでしたが、菊枕、菊晴れ、また漢方で用いられることなどをしると、お供えされるこの菊の花というものは、「明るく、相手を思いやる」花として、明るい花というイメージを持つようになりました。

 

菊晴れに日曜の昼下がり、清酒を飲むとなんか沁みそうです。今週はあいにく台風でしたが、来週が楽しみです。

 

十九代目 大塚恭範 拝